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マウス感度は一つのスライダーだけで決まるように見えますが、実際のエイム感覚には複数の数値が関係します。マウス側のDPI、ゲーム内感度の倍率、さらに入力カウントを回転角度へ変換するゲームエンジン固有の係数です。マウスやDPIを変えたり、CS2からValorantへ移ったりすると、慣れた振り向き距離が変わるのはこのためです。
DPI、eDPI、cm/360は、それぞれハードウェア入力、同じゲーム内での実効設定、机上での実移動距離を表します。数値が似ているだけの設定と、実際に同じ動きをする設定を区別するには、この三つを分けて考える必要があります。
DPIはDots Per Inch、つまり1インチあたりのドット数です。マウスを1インチ動かしたとき、センサーが何カウントの移動を報告するかを示します。800 DPIなら理論上約800カウント、1600 DPIなら同じ距離で約1600カウントです。
DPIが高いほど必ず狙いやすくなるわけではありません。最終的な旋回速度は、ゲーム内感度、OSの入力設定、Raw Inputの使用にも左右されます。DPIは入力の基準目盛りで、ゲーム内感度はそのカウントを拡大または縮小する倍率です。
1.0、2.0、50%といった値は、そのゲーム独自の目盛りでのみ意味を持ちます。CS2の1.0とValorantの1.0は同じ振り向き距離ではありません。同じゲームでもDPIを無視できず、400 DPI・感度2.0は1600 DPI・感度2.0より明らかに遅くなります。
eDPIはEffective DPI、つまり実効DPIです。DPIとゲーム内感度を一つの値にまとめます。
eDPI = DPI × ゲーム内感度
800 DPI・感度1.0は800 eDPIです。1600 DPIへ変更して感度を0.5に下げても800 eDPIになります。同じゲーム、同じ入力条件なら、通常は同じ旋回速度です。
eDPIは同じゲームのプレイヤー同士を比較したり、DPI変更後の感度を逆算したりするのに便利です。ただしゲームをまたぐ共通単位ではありません。感度目盛りと角度係数が異なるため、CS2の800 eDPIをValorantの800 eDPIとして直接コピーすることはできません。
cm/360は、視点を水平方向に360度回転させるために必要なマウス移動距離をセンチメートルで表した値です。数値が大きいほど低感度、小さいほど高感度です。50 cm/360なら一回転に約50 cm、25 cm/360ならその半分を動かします。
ゲーム画面の数値よりも、腕が実際に覚える動きに近いため、ゲーム間の変換やマウスパッドの広さ確認に役立ちます。ただし水平方向の距離だけを表すので、FOV、画面投影、スコープ倍率による見え方の違いまでは含みません。
ゲームのyaw値が、1入力カウントあたりの水平回転角を表す場合は次の式を使います。
cm/360 = 2.54 × 360 ÷(DPI × ゲーム内感度 × yaw)
2.54はインチからセンチへの換算、360は一回転です。yawはゲーム固有の水平角度係数であり、推測したり別タイトルから流用したりできません。アップデートや入力モード、特殊設定で計算条件が変わる場合もあります。
CS2で一般的に使われる標準yawは0.022です。800 DPI、ゲーム内感度1.0なら:
2.54 × 360 ÷(800 × 1.0 × 0.022)≈ 51.95 cm/360
一回転には約51.95 cm必要です。感度を2.0に上げれば距離は半分になります。感度を変えずにDPIを800から1600へ上げた場合も同じです。
手計算は仕組みの理解と検算に向いています。実際の移行ではマウス感度変換ツールが便利です。変換元と変換先のゲームを選び、元の感度、元DPI、移行先DPIを入力すると、変換後感度とIn/360、Cm/360が表示されます。
結果は信頼できる出発点ですが、微調整を禁止する絶対値ではありません。小数桁が限られるゲームでは最も近い値を入力し、実測後に小さな誤差を調整します。
cm/360が同じという事実は、一回転に必要な物理距離が同じことだけを示します。体感はFOV(視野角)、アスペクト比、カメラ投影、反動、フレームレート、入力遅延でも変化します。狭いFOVでは速く、広いFOVでは同じ回転が遅く見えることがあります。
ADS(サイトを覗く照準)や倍率スコープは別の問題です。固定倍率を使うゲーム、FOV変化から計算するゲーム、スコープごとの設定を持つゲームがあります。腰だめ撃ちのcm/360を合わせても、ADS感度まで自動的に一致するとは限りません。
全員に共通する唯一のeDPIやcm/360はありません。低感度は細かな修正に広い物理空間を使え、タクティカルシューターに向く傾向があります。高感度は素早く振り向きやすく、机が狭い場合にも有効です。持ち方、マウス重量、パッドの大きさ、主に遊ぶゲームも適正範囲を変えます。
一度に変える要素は一つにします。まずDPIを固定し、ゲーム内感度を段階的に調整して、各設定を実際の練習や試合で試します。DPI、FOV、解像度、感度を同時に変えると、違和感の原因を特定できません。
yawが不明なら、マウスを印の付いた位置に置き、ゲーム内の明確な目印へ照準を合わせます。視点が同じ目印へ戻るまで水平にゆっくり動かし、開始点と終了点の距離を測れば、おおよそのcm/360になります。
各ゲームのDPI、ゲーム内感度、cm/360、FOV、解像度、ADS倍率、Raw Inputの状態を記録します。PC変更、再インストール、新しいマウスの試用後も、感覚だけに頼らず復元できます。
DPIは入力カウント、eDPIは同じゲーム内の実効設定、cm/360は机上の実距離を示します。どれか一つで他を代用することはできません。ゲーム内管理にはeDPI、ゲーム間変換にはcm/360を使い、最後に実際のFOVと照準モードで確認します。